こんにちは!
「なぜアメリカのデビットカードの特典が消えたのかー真相について」でも書いた通り、
アメリカではデビットカードというとキャッシュバックがあるものが少なくお得感がないものが多いということを書きました。
しかし、今回はデビットカードでありながら、5%もキャッシュバックを行ってくれるPayPalデビットカードについて、その特徴とお得な使い方と申込方法について書いていきたいと思います。
PayPalデビットカードとは?
PayPalデビットカードは、
PayPal残高を活用して、
世界中のMastercard®加盟店での
支払いに利用できる便利なカードです。
このカードを使用することで、
オンラインおよび実店舗での
購入が可能となり、
さらに毎月特定のカテゴリで
キャッシュバック特典を受けることができます。
このカードの大きなポイントは次の3つです。
特徴1:毎月選んだカテゴリーが5%還元
ガソリン、食料品、レストラン、衣料品などから
毎月1つカテゴリーを選択選んだカテゴリーでの利用額1,000ドル分までが5%還元
月最大50ドル相当のキャッシュバック
還元は「ポイント(PayPal Rewards)」で付与され、実質ほぼ現金感覚で使えます
特徴2:クレジットチェックなしで申し込みできる
申込時にクレジットスコアのチェック(クレジットヒストリーの照会)が行われないため、
クレヒスがほとんどない人でも作りやすいカードです。ただし本人確認や口座の状態によっては、発行が断られる可能性はあります。
特徴3:年会費・月会費は無料
年会費・月会費ともに無料
MoneyPassネットワークのATMであれば、引き出し手数料が無料
(※ATM側の追加手数料がかかる場合はあります)
PayPalデビットカードの特徴
毎月カテゴリ別で5%キャッシュバック
5%キャッシュバックが適応される範囲として以下のカテゴリがあります。
- 家電
- 衣服
- ヘルス&ビューティー
- ガソリン
- 食料品
- レストラン
キャッシュバック特典を適応させるには
アプリを開いてPaypal Balanceを選びます。
Debit Cardの欄を選びます。
するとTime to choose a 5% categoryという欄が現れるので、
そこを押します。
カテゴリーを選びます。
ポイントの引き出し方法
PayPalデビットカードの5%還元などで貯まった「PayPal Rewardsポイント」は、単なるポイントではなく、ほぼ現金に近い形で使えるのが特徴です。ここでは、代表的な使い方と引き出し方を整理します。
9-1. ポイントの基本:いくらでいくら相当?
PayPal Rewardsポイントは、100ポイント=1ドル相当が目安です。
たとえば
1,000ポイント → 約10ドル
5,000ポイント → 約50ドル
というイメージになります。
9-2. 現金として引き出す(PayPal残高 → 銀行口座へ)
ポイントを「現金」として使いたい場合は、いったんPayPal残高にキャッシュバックとして振り替える形になります。
手順のイメージ
PayPalにログイン
アプリまたはブラウザでPayPalにログインします。「Rewards」または「報酬」画面を開く
アプリの場合:アカウント画面や「Rewards」「報酬」タブからポイント残高を確認
Webの場合:トップページや「Rewards」ページからポイント残高を確認
「キャッシュバック」や「現金に交換」を選ぶ
「Redeem(交換)」や「Cash back(キャッシュバック)」といったボタンを選択し、
ポイントを現金(USドル)に交換します。
この時点で、ポイントは**PayPal Balance(残高)**として反映されます。
銀行口座やデビットカードに出金する
PayPal残高に変わった後は、通常の出金と同じ要領で、登録している銀行口座
登録しているデビットカード
へ送金することができます。
ポイント → PayPal残高 → 自分の銀行口座
という流れで、「ポイントを現金化して引き出す」イメージです。
9-3. 買い物でそのまま使う(PayPalチェックアウトで利用)
ポイントをわざわざ現金に変えず、オンラインショッピングの支払いにそのまま充てることも可能です。
利用イメージ
通常どおり、対応サイトで「PayPalで支払う」を選択
PayPalの支払い画面で、
「PayPal Rewards」
「ポイントを使う」「Pay with Rewards」
といった表示が出る場合があります。
利用したいポイント数(または金額)を指定して支払いに充当
全額ポイントで支払う
一部だけポイントを使い、残りを銀行口座やカードから支払う
といった使い方も可能です(利用可否は取引内容や加盟店によって変わります)。
9-4. 貯蓄・寄付・ギフトカードに使う
PayPal Rewardsポイントには、現金以外にもいくつか使い道があります。
1. PayPal Savings(高利率の貯蓄口座)に回す
米国版のPayPalでは、「PayPal Savings」(シンクロニー銀行が提供する高利率の貯蓄口座)にポイントを現金として振り替えて入金することもできます。
流れとしては、
ポイント → PayPal残高 → PayPal Savings
という順番で移動します。
2. 寄付に使う(チャリティー)
ポイントをPayPal Giving Fund経由で寄付に回すことも可能です。
PayPal上で寄付先の団体を選び
ポイントを現金として寄付する形になります。
3. ギフトカードに交換する
PayPal Rewards(Honey連携など)の場合、
Amazonや各種ショップのデジタルギフトカードに交換できるオプションもあります。
たとえば「1,000ポイント=10ドル分のギフトカード」
といった形で、オンラインショップで使えるコードを受け取るイメージです。
どんな人に向いている?
4-1. 生活費の節約効果が大きい
ガソリンや食料品は、アメリカ生活で必ずかかる支出です。
例:食費500ドルを「食料品」カテゴリーで支払う → 5%還元で25ドル戻る
例:ガソリン200ドルを「ガソリン」カテゴリーに設定 → 10ドル戻る
普通の銀行デビットカードは還元0~1%程度が多いため、
5%はかなり高い水準と言えます。
4-2. クレヒスが薄い時期の「つなぎカード」として優秀
留学や駐在でアメリカに来た直後
ソーシャルセキュリティナンバーはあるが、クレジット履歴はまだほぼゼロ
こういった段階でも、
「還元が全くないデビットカード」ではなく
「毎月5%還元を狙えるデビットカード」
を使えるのは大きなメリットです。
4-3. 年会費を気にせず長く持てる
年会費が無料なので、
一度作ってしまえば、放置していてもコストはかからない
「生活費専用」「ガソリン専用」など用途を決めて長く持ちやすい
という点でも扱いやすいカードです。
デメリット・注意点:万能ではないので要チェック
5-1. クレジットヒストリーは育たない
繰り返しになりますが、
PayPalデビットカードだけを使っていてもクレジットスコアは上がりません。
将来的に、
アパートの審査
車のローン
住宅ローン
などを考えている場合は、どこかのタイミングでクレジットカード(Securedカードなど)も別途用意して、クレヒスを育てていく必要があります。
5-2. 海外(ドル以外)での利用は手数料がネック
アメリカ国外やドル以外の通貨で決済する場合、
為替手数料・国際取引手数料がかかる
せっかく5%還元でも、手数料でかなり相殺されてしまうケースもあり
日本への一時帰国や他国旅行では、海外手数料のないクレジットカードの方が有利なことが多いです。
5-3. ATM利用時の手数料・上限に注意
MoneyPass以外のATMでは、1回ごとに手数料が発生
1日の引き出し額にも上限がある(例:1日400ドルなど)
現金を多く使う生活スタイルだと、ATM手数料が地味に効いてきます。
他のPayPalカードとの違い(混同しやすいポイント)
PayPalには似た名前のカードがいくつかあります。
ここを混同しないようにだけ注意が必要です。
6-1. PayPal Business Debit Mastercard(ビジネス向け)
こちらはビジネスアカウント用のデビットカード
利用額の1%キャッシュバックなど、条件が別物
個人用の5%カテゴリー還元とは別のカードです。
6-2. PayPal Cashback Mastercard / PayPal Credit(クレジットカード)
PayPal Cashback Mastercard:
クレジットカードで、PayPal決済3%・通常1.5%還元などPayPal Credit:
オンライン専用の「後払い枠」のようなイメージのクレジット商品
これらは完全に「クレジットカード」扱いで、申込時にクレジットチェックが入り、利用状況もクレジットスコアに反映されます。
申し込み手順:ざっくりフロー
実際の申し込みの流れは、おおよそ次のようなイメージです。
PayPalアカウントを用意
まだ持っていない場合は、アメリカ住所・電話番号などで作成
必要に応じてSSNなどを登録し、PayPal Balanceを有効化
PayPalデビットカードをリクエスト
アプリまたはWebで「PayPal Debit Mastercard」ページにアクセス
必要事項を入力して申請
審査・本人確認
クレジットチェックではなく、本人確認や口座状況の確認が行われます。
バーチャルカード→物理カードの順に利用開始
承認されると、まずバーチャルカードが利用可能になることが多いです。
数日〜数週間で物理カードが郵送されるので、
Apple Pay / Google Pay / Samsung Pay 等に登録しておくと便利です。
アプリで5%カテゴリーを設定
PayPalアプリから、毎月対象カテゴリーを選択して有効化します。
どう使うと一番お得か?
最後に、この記事を読んだあと「具体的にどう動けばいいか」を整理します。
ステップ1:自分の毎月の支出をざっくり把握する
ガソリン:月◯ドル
食料品:月◯ドル
外食:月◯ドル
この中で、毎月安定して金額が大きいカテゴリーがあれば、
そのカテゴリーを5%還元枠に設定するのが基本戦略です。
ステップ2:生活費の一部をPayPalデビットカードに集約
給与の一部や生活費を、銀行からPayPalに移しておく
選んだカテゴリーの支出を、できるだけPayPalデビットカードにまとめる
これだけでも、従来の銀行デビットに比べてかなり節約効果が出ます。
ステップ3:クレヒス用に「別途クレジットカード」も育てる
将来的にクレジットスコアが必要になる場面(家・車・カード審査など)が多い国なので、
PayPalデビットカードだけで完結させず、
Securedカードや初心者向けクレジットカードも別に1枚用意しておくと安心です。
まとめ
PayPalデビットカードは、PayPal残高に紐づいた年会費無料のデビットカード
毎月1つ選んだカテゴリーで、最大1,000ドル分まで5%還元を受けられる
申込時にクレジットチェックがないため、クレヒスが薄い人でも作りやすい
ただしクレヒスは育たないため、将来を見据えるなら別途クレジットカードも準備しておくのがおすすめ
「アメリカに来たばかりでクレジットカードは不安だけれど、少しでもお得に支払いをしたい」という方にとって、PayPalデビットカードはかなり有力な選択肢と言えます。